「ねぇ君はいつまでそうして隠れているつもりなの?」
「お日様が隠れて真っ暗になるまでさ。」
「もう日は暮れた。お月様だって顔を出してる」
「だって電気がまぶしいんだ。もっと、もっと暗くないと。」
「電気は消したよ。ココは山の中だからほかに電気はもうない」
「まだだめだよ。星がきらきら瞬いて僕をみるんだ。」
「星に見守られてるなんて素敵じゃないか」
「違うよ僕がほしいのは暗闇の世界。あんなに星が出ていたらちっとも暗くならないじゃないか。」
「この場所じゃあそんな暗闇は難しいよ」
「それなら僕は帰ることにするよ。真っ暗で、落ち着く奈落の底まで。」
「せっかくきたのにつまらないね」
「仕方ないよ。ココは僕には向いていない。」
「そう。じゃあ、さようなら」
「さようなら。もう会うことはないだろうね。」
「もし次に会うことがあるならそれは僕がそっちにいくときだけかな?」
「馬鹿だね。この明るい世界の貴方はこっちに落ちてくることはないよ。永遠に。」
「それはどうかな。案外心とは移ろいやすいものなのさ」
「僕には分からないね。」
「分からなくても結構だよ」
「ああ、そう。それでは僕はこれにて失礼。どうか末永くお元気で。」
「adio」
「Adiós」
「ArrivederLa」
「Au revoir」
「Farvel.」
「「As not to meet again」」
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